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経営レポート

面接で人を見分ける

2014年2月12日|採用・面接

  「面接」という言葉を耳にするとまず思い浮かぶのは、新卒採用、もしくは中途採用時の面接ではないでしょうか。そこで面接担当者に採用にあたっての基本方針を質問すると、次のような答えが返ってきます。

「優秀な人材を採用すること」

 では、「優秀な人材」の「優秀さ」の基準とはどのようなものでしょうか。この「優秀さ」の基準が不適切だったり、明確な基準がなく、担当者の主観的な印象、あるいは学歴等で判断してしまい、「優秀さ=頭の良さ」という観点から抜け出すことができず、企業にとって必要な人材とは何か、という肝心な課題との接点がうまく取れていないケースがしばしば見受けられます。

 今日、多くの企業が、最重要課題として、評価や給与、資格制度等さまざまな組織改革に着手していますが、この組織の根っこである人材の採用についての位置づけは必ずしも高くありません。

 たとえば成果主義の導入や人事制度の仕組みを変えるとなれば、社長以下役員、管理職がずらりと並び、熱の入った議論がなされるのに対し、採用に関しては、現場の課長レベルが担当者として、面接についての何の教育もなく、10分足らずの雑談まがいの面接をし、せいぜいペーパーテストや適性診断を行い、その結果と印象で採用を決定しているのが現状ではないでしょうか。

 この現実の裏付けとして面接は、「人は雇ってみないと分からない」という博打に近い感覚があり、面接ほど担当者の結果責任が問われない業務も珍しいのではないでしょうか。また、雇用が流動的な時代では、面接慣れした被面接者も多く、採用したものの期待した成果が上がらず、後に余計な教育コストを負担することにもなりかねません。

■面接でどのように何を見極めるのか
 採用時における面接でその人の何を見るのか。それを明確にするためには、将来を見据え、10年後に生き残る企業になるためにどのような人材が必要かといった「必要な人材像」をしっかりと持たなければなりません。その上で、それを面接で見極める必要があります。

 次に、その人の持つ能力を正しく見抜くことが必要です。従来ですと、「人と違った体験」や「学生時代の功績」、または「前職時代の実績」でその人の評価が良く出てしまいがちです。

 ここには大きな落とし穴があります。これは単に結果や経験談を聞いただけであり、その間にあるその人の取った実際の行動や思考、周りに与えた影響は見えてきません。学生時代の功績や前職の実績は、周りの環境が良かったり、担当しやすい顧客を管理していただけかもしれませんし、人と違った経験にしてみれば、ただの変わり者という評価すらできるかもしれません。

 ここで重要になってくるのは、その人が取り組むべき問題に直面したときに取った実際の行動と、その行動をどのように結果(成果)に結び付けたか(プロセス)を丁寧に確認していくことです。それには、面接全体の流れを質問によって誘導し、今までもっとも力を入れて取り組んできたことを特定し、その際、最初に取った行動を聞き、「いつ、どこで、だれと、どうした」というような、ある「場面」を思い浮かばせます。

 その上で、具体的にどのような行動をして、その結果どうなったかを時系列に沿って一つひとつ丁寧に確認し、その行動に「プラン、ドゥ、チェック、アクション」の自己統制のサイクルが行われているかに留意します。行動事例がほぼ聞き取れれば、最後に「特に工夫した点」や「苦労した点」を聞き、そこに改めて取った行動がなかったかを尋ねます。こうした点にその人の評価すべきポイントが見えてきます。

■面接を通して見えてくるもの
 前述の行動事実の確認ができれば、今後どのような行動を取るかは明白に把握でき、事実に基づいているので、その面接で得た評価の信頼性はかなり高くなります。これは成果主義や人事制度での評価にも活用でき、このような面接で、高い行動レベルを示した人材の抜擢にも十分に納得ができるはずです。

 それでは、どのような行動レベルを高い行動レベルと判断するのでしょうか。やるべきことをやるべきときに取った行動は当たり前のこととして、明確な意図や判断、理由で選択した行動を最低条件とします。更に高いレベルとして、独自の効果的工夫や状況を変化、打破しようという行動を取った人材を見極め、採用、抜擢できれば言うことはありません。

 ただし、ここでも注意しなければならない点があります。それはストレス対処力です。高い行動レベルの人材でもストレスに弱いとそれが弊害要因となり、本来の行動レベルが発揮できない場合があるのです。

 ストレスの原因は、職場環境や人間関係が最も多いと考えられますが、ストレス対処力がある人とは、その原因に目を向け、改善、打開するために積極的に自分から働きかけていき、独力で解決できない時には、周囲への援助を求めようとする人材です。

 一見、周囲に援助を求める行動は、弱い人のように思われますが、一人ですべて解決できないからこそ、ストレスとなっているのです。このストレス対処力も、行動事実を丁寧に確認していく面接の中で、その場面を特定し、その時どのような行動を取ったかを確認していくことで見極めが可能になります。

 また、最大のポイントは、先に述べたように、面接をする担当者や募集をする企業が、採用する人材、評価し処遇しようとする人材を見極めるための姿勢やスキルを身につけ、このことに関して常日頃から目を向け、真剣に取り組んでいくことが重要です。


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